2007年01月12日

第七十六条

1 すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。

2 特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。

3 すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。



【解説】
日本国憲法第6章(司法)の最初の条文です。
司法権・裁判所、特別裁判所の禁止、裁判官の独立について規定しています。

「下級裁判所」とは裁判所法で定められており、高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所が該当します。すなわち日本の裁判所は次のように分類されます。
@最高裁判所
A下級裁判所(高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所)

「特別裁判所」とは、旧憲法の時代に存在していた憲法裁判所などが該当します。

憲法を少し学習された方ならご存知と思いますが、裁判所で争えない事柄もあります。例えば、大学の単位授与行為(単位を与えるか否か)は、団体の内部に関する行為であるため裁判で争うことはできません。これを「部分社会の法理」といいます。(富山大学事件参照)

行政機関は「終審として」裁判を行うことができません。しかし終審ではない、つまり「前審」としてならば、行政機関は裁判を行うことができます。


【関連判例】
富山大学事件(最判昭52.3.15)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=26655&hanreiKbn=01

板まんだら事件(最判昭56.4.7)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=26376&hanreiKbn=01

警察法改正無効事件(最大判37.3.7)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=28730&hanreiKbn=01

苫米地(とまべち)事件(最大判昭35.6.8)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=29157&hanreiKbn=01

地方議会議員の懲罰と司法審査(最大判昭35.10.19)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=29063&hanreiKbn=01

裁判官の良心(最大判昭23.11.17)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=32378&hanreiKbn=01
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第七十七条

1 最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。

2 検察官は、最高裁判所の定める規則に従はなければならない。

3 最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。



【解説】
最高裁判所の規則制定権について規定しています。

最高裁判所は、本条を根拠に規則を制定しています。どんなものか見てみたい方はここで見られます。
http://www.courts.go.jp/kisokusyu/
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第七十八条

裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行ふことはできない。


【解説】
裁判官の身分保障について規定しています。
「公の弾劾」は、弾劾裁判所が行います(64条参照)。
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第七十九条

1 最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。

2 最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し、その後十年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。

3 前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は、罷免される。

4 審査に関する事項は、法律でこれを定める。

5 最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する。

6 最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。



【解説】
最高裁判所の裁判官、国民審査、定年、報酬について規定しています。

最高裁判所長官は、内閣が指名し、天皇が任命します。
最高裁判事は、内閣が任命し、天皇が認証します。

国民審査は、最高裁判所の裁判官のみが対象です。


【関連判例】
最高裁判所裁判官の国民審査(最大判昭27.2.20)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=31446&hanreiKbn=01
posted by 管理人 at 02:01| 76〜80条 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第八十条

1 下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する。その裁判官は、任期を十年とし、再任されることができる。但し、法律の定める年齢に達した時には退官する。

2 下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。



【解説】
下級裁判所の裁判官について規定しています。
下級裁判所の裁判官の任期は10年と書かれています。なお最高裁判所の裁判官には任期はありません。

なお、下級裁判所とは裁判所法で定められており、高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所が該当します。日本の裁判所は次のように分類されます。
@最高裁判所
A下級裁判所(高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所)
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